和野菜の食卓

聖護院かぶを葉までまるごと!初心者も安心、無駄なく味わう和風ポトフ

Tags: 聖護院かぶ, 在来種野菜, 簡単レシピ, 食品ロス, ポトフ, 環境保全, 栄養価

「和野菜の食卓」をご覧いただきありがとうございます。今回は、京野菜としても知られる在来種野菜、「聖護院かぶ」の魅力に迫ります。聖護院かぶは、一般的なかぶよりも大きく、とろけるようなやわらかさと上品な甘みが特徴です。その根の部分はもちろん、鮮やかな緑色の葉まで美味しく食べられるため、一つまるごと使い切ることで、食材の無駄をなくし、豊かな風味を余すところなく楽しむことができます。

この記事では、料理初心者の方でも手軽に作れる「聖護院かぶと鶏肉のシンプル和風ポトフ」のレシピをご紹介いたします。このレシピを通して、在来種野菜が持つ環境への貢献、栄養価の高さ、そして食材を無駄なく使い切る工夫について深く掘り下げてまいります。

聖護院かぶと鶏肉のシンプル和風ポトフ

レシピコンセプト

このレシピは、聖護院かぶを根から葉までまるごと活用し、素材本来の優しい味わいを引き出すことを目指します。簡単な手順で失敗しにくく、食材の廃棄を減らすことにも繋がります。出汁をベースにした和風の味付けは、聖護院かぶの上品な甘みを一層際立たせます。

材料(2人分)

調理手順

  1. 聖護院かぶの下準備:
    • 聖護院かぶは、根の部分と葉の部分に切り分けます。
    • 根の部分は厚めに皮をむき、一口大(約3cm角)に切ります。皮が厚い場合は、ピーラーで厚めにむくと、口当たりが良くなります。
    • 葉の部分は土をよく洗い落とし、約3cmの長さに切ります。茎の太い部分は縦半分に切ると火の通りが均一になります。
  2. その他の材料の下準備:
    • 鶏もも肉は余分な脂を取り除き、一口大に切ります。鶏肉は皮を下にして焼くと、旨味が閉じ込められやすくなります。
    • 玉ねぎはくし切りに、にんじんは乱切りにします。
  3. 鶏肉を焼く:
    • 鍋にごま油を熱し、鶏もも肉の皮を下にして入れます。中火で皮がこんがりと色づくまで焼き、裏返して軽く焼いたら一度取り出します。こうすることで、鶏肉の香ばしさと旨味が引き出されます。
  4. 野菜を炒める:
    • 同じ鍋に玉ねぎ、にんじんを入れ、玉ねぎがしんなりするまで中火で炒めます。
  5. 煮込む:
    • 炒めた野菜に聖護院かぶの根の部分、鶏肉を戻し入れ、水、和風だし顆粒、薄口醤油、みりんを加えます。
    • 沸騰したらアクを取り除き、蓋をして弱火で15分ほど煮込みます。かぶがやわらかくなるまでじっくり煮ることで、味がよく染み込みます。
  6. 仕上げ:

    • かぶが十分にやわらかくなったら、聖護院かぶの葉を加え、蓋をせずにさらに2〜3分煮ます。葉は煮すぎると色が悪くなるため、さっと火を通す程度にしてください。
    • 味見をして、塩で味を調えたら完成です。
  7. 準備時間: 約15分

  8. 調理時間: 約30分
  9. 難易度: 初級

調理のコツとポイント

在来種野菜「聖護院かぶ」の深掘り

選び方と保存方法

新鮮な聖護院かぶを選ぶポイントは、以下の通りです。 * 根の部分: 白くてつやがあり、ずっしりと重みを感じるものが新鮮です。ひび割れや傷がなく、表面がなめらかなものを選びましょう。 * 葉の部分: 濃い緑色でピンとしており、みずみずしいものが良い状態です。黄ばみやしおれているものは避けましょう。

購入後の保存方法は、鮮度を長持ちさせるために重要です。 * 冷蔵保存: 聖護院かぶは、根と葉を切り離して保存します。葉は、洗わずに湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると、2〜3日程度鮮度が保たれます。根の部分は、乾燥しないようにラップで包み、冷蔵庫の野菜室で約1週間保存可能です。 * 冷凍保存: 根の部分は、使いやすい大きさにカットして、固めに茹でてから水気をよく切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。約1ヶ月保存できます。葉の部分は、さっと茹でて水気を絞り、小分けにして冷凍すると、おひたしや炒め物などに便利です。

食材の無駄をなくす工夫

聖護院かぶは、根だけでなく葉や茎も美味しく、様々な活用法があります。 * 葉の活用: 葉は栄養価が高く、ポトフの他、細かく刻んでごま油で炒め、醤油やみりんで味付けして「かぶの葉ふりかけ」にしたり、おひたしや味噌汁の具にしたりするのもおすすめです。ご飯が進む一品になります。 * 皮の活用: 厚めにむいた皮も捨てずに活用できます。細かく刻んできんぴらにしたり、他の野菜と一緒に漬物にしたりすると、独特の風味と食感が楽しめます。 * 余ったポトフのアレンジ: 今回のポトフが余った場合は、ご飯を加えてチーズを乗せてリゾット風にしたり、うどんやそばの具にしたりすると、翌日の食事が豊かになります。 これらの工夫は、「食品ロス削減」に直結します。食材を丸ごと使い切ることは、環境への負荷を減らし、持続可能な食生活を送るための大切な一歩となります。

環境と健康への貢献

在来種野菜である聖護院かぶを食べることは、環境と健康の双方にメリットをもたらします。 * 環境へのメリット: 在来種野菜は、その土地の気候や土壌に適応し、長年にわたって栽培されてきた品種です。これにより、農薬や化学肥料への依存が比較的少なく、生物多様性の保全に貢献します。また、地元の在来種を選ぶことは、地域ごとの食文化を継承し、輸送にかかるエネルギー(フードマイレージ)を削減することにも繋がります。これは、環境学を学ぶ皆様にとって、身近なところからできる持続可能性への貢献と言えるでしょう。 * 栄養価と健康効果: 聖護院かぶは、根と葉で異なる栄養素を豊富に含んでいます。 * 根の部分: 消化酵素「アミラーゼ」が豊富で、消化を助ける働きがあります。また、ビタミンCも多く含まれており、風邪予防や美肌効果が期待できます。 * 葉の部分: 根の部分よりも栄養価が高く、β-カロテン(体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ)、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが豊富です。これらは骨の健康や貧血予防にも効果的です。

まとめ

今回は、聖護院かぶの奥深い魅力と、それを余すことなく味わうための和風ポトフレシピをご紹介しました。簡単な調理法で在来種野菜の美味しさを体験できるだけでなく、食材を無駄なく使い切ることで食品ロス削減に貢献し、環境と健康への配慮も実践できます。

在来種野菜には、その土地ならではの物語と豊かな栄養、そして環境への優しいメッセージが込められています。「和野菜の食卓」は、これからも皆様が在来種野菜の魅力に出会い、日々の食卓に取り入れるきっかけとなるような情報をお届けしてまいります。ぜひ様々な在来種野菜を試し、持続可能で心豊かな食生活を楽しんでみてください。